ハセッパー水は、次亜塩素酸ソーダ(NaClO)が水(H2O)と反応して出来る、次亜塩素酸(HOCl)を大量に含んだ水です。この含有量が多ければ多いほど除菌力は増します。ハセッパー水は、次亜塩素酸ソーダを使うという点では、目新しいことではありませんが、次亜塩素酸ソーダのpHを調整することによって、次亜塩素酸ソーダに含有されている除菌成分である次亜塩素酸(HOCl)を大量に生成して、それを使うという点で格段の違いがあります。次亜塩素酸ソーダは、食品衛生、環境衛生などさまざまな場面で除菌剤として広く使われていますが、食品など人体に直接影響する場合は、濃度12%の原液を200ppmに薄めて使用するように、との指導が厚生労働省よりなされています。
次亜塩素酸ソーダは、200ppmに薄めると、pHは8.2~8.8位のアルカリ性になります。このpHの範囲ですと、有効除菌成分の次亜塩素酸(HOCl)の存在比は10数%しかありません。これを、pH7.0以下の弱酸性にすると、存在比は70~100%へと飛躍的に高まり、除菌力が強化されます。pH8.2~8.8の次亜塩素酸ソーダでも、水で薄めてpH7に近づけることはできます。(水は通常pH7ですから、大量に水を加えれば限りなく水と同じpHに近づきます)しかし、このやり方は、濃度が薄くなりすぎて除菌力が弱くなり、実用には向きません。ハセッパーでは、濃度8.5%という低濃度の希塩酸を、極微量に次亜塩素酸ソーダに混合しpH6.0~7.3にすることにより、有効除菌成分である次亜塩素酸(HOCl)を大量に含んだ水を生成するようにしています。(グラフ参照)
なお、ハセッパー水はグラフでお判りのように、pH5位にするとより一層除菌力は高まります。しかし、pHを低く(即ち酸性度を高く)しすぎると、有害な塩素ガス(Cl2)が発生しやすくなります。そのため、ハセッパーでは通常はpH5以上の塩素ガスが発生しない弱酸性の状態でご使用頂くことにしています。pHを正確にコントロールする技術がなくては、ハセッパー水は実用化しません。ハセッパー水(次亜塩素酸)は次亜塩素酸ソーダに酸を添加しpH値をコントロールし生成しますが、次亜塩素ソーダが安定し、効果の高いpH範囲内に自動的に制御する事は難しいと考えられ、実用化は難しくて出来ないとされてきました。滴定量の少しのズレで、すぐにpH3以下~pH8以上になってしまう事や、pH4.5以下になると塩素ガスが発生する危険があることから、人為的に混合していく事は非常に難しく危険性が伴います。ハセッパー水は、これらを自動化し、正確にコントロールする技術を確立し、実用化に成功しました。